君の素顔に恋をした


私、立間さん、市川くんの三人で、ゲーセン内をぐるぐる歩く。


「あ、これ可愛い」

「本当だ」


私達が目に付いたのは、クレーンゲームで、手の平サイズのカラフルでな動物のぬいぐるみが、たくさん積まれていた。

チェーンがついているから、カバンなどにつけられそうだ。


「美羽ちゃんって、クレーンゲーム得意?」

「めちゃくちゃ苦手」

「私もー」


二人で、市川くんを見る。


「俺も、得意な訳じゃないよ」


そう言いながらも、鞄を地面に置いて、やる気満々と言った様子。


「お金、とりあえず五百円」

「私も、五百円。ここに置いとくね」


財布から出した百円玉を、クレーンゲームのお金の投入口近くに置いていく。


「いくつか種類があるけど、どれがいいの?」


クレーンゲーム内には、犬、猫、熊、うさぎ、いろいろな動物がいるけど、どれも可愛い。


「どれも可愛いから、落としやすいヤツで」

「私もー。ここらへん、えいってやったら、いっぱい落ちそうじゃない?」

「そこまで分ってるなら、自分でやりなよ」


そう言いながらも市川くんは、お金を投入し、アームを動かし始める。


「どうだ」


アームは、ぬいぐるみの山のいい感じの位置に刺さるけど、落ちては来なかった。


「あー、おしいね」

「もっかいやって、もっかい」


またお金を投入し、アームを動かす。

今度はアームが上手く刺さって、ぬいぐるみがいくつか落ちる。


「おー」

「流石」


市川くんは、しゃがんで受け取り口からぬいぐるみを取り出すと、私達に見せる。


「ほら、好きなの取りな」


ピンクのうさぎ、紫の猫、黒い熊。


どれも同じくらい可愛いから、悩んじゃう。

立間さんは、どれがいいのかな。


彼女を見ると、彼女も困った顔で私を見た。

私と同じように悩んでいるみたいだ。


「とりあえず、せーので指さす?」

「そうしよっか」

「せーの」


私が指したのは猫で、立間さんが指さしたのも猫だった。


「被っちゃったね」

「あれ、美羽ちゃんうさぎじゃ無いの?」


いつもスクバに、うさぎがついているから今回もうさぎを選ぶと思っていたのか、立間さんは不思議そうにした。


「うん。うさぎはもういるから、猫にしよって思って」

「え、じゃあ、私、うさぎにしても良い?」

「もちろん、いいよ」

「やったー」


立間さんは嬉しそうにうさぎを取るので、私は猫をとった。

残ったくまのぬいぐるみを持って、市川くんは立ち上がる。


「あまった子は、どうするの?」

「そりゃ勿論。市川くんのだよ」

「了解」

「私、リュックに付けるから、市川くんも付けてきてね」

「やだ」

「いいじゃん、いいじゃん」

「やだ。二人とも、お金取り忘れないようにな」

「うん」


市川くんがすぐ取ったことで使わなかった、お金の半分をしまう。