君の素顔に恋をした


「美羽ちゃん、大丈夫? お腹空いてない?」

「大丈夫だよ」


ご飯を食べ終わって、ゲーセンに移動中。

結局、立間さんと前田くんから、ご飯のお裾分けを貰わなかったからか、立間さんに何度も聞かれる。


「お腹空いたら、いつでも言ってね。クレープもアイスもあるんだから」

「それ、立間が腹減っているだけじゃないの?」


下りのエスカレーターで、後ろから横山くんにそう言われ、立間さんは頬を膨らませる。


「違うよー。心配してるの」

「あそこのゲーセン、お菓子取れやすいってよ」

「えっ、ほんと! って、だから、私食いしん坊じゃ無いもん」

「あはは」


ノリのいい立間さんに、横山くんが笑ってる。口を開けて、大きな声で。

楽しそうなその姿を、ずっと見てたくて、


「飯田、危ない」


エスカレーターが終わるのに気づかず、市川くんに腕を掴まれる。


「あっ、ごめん」

「ちゃんと前見な」


エスカレーターから離れた所で、腕を放される。


「ありがとう」


お礼を言ったのに、市川くんはため息をつく。


「飯田は……」


ジトっとした目で、何か言いたげ。


「私がなに?」


だから聞いたのに、市川くんは、またため息をつく。


「何でも無いよ」

「もったいぶらないでよ」


言って! と意思を込めて、市川くんを見るが目を逸らされて、しっしっとやられる。


「ほら、ゲーセン着いたから。遊んできな」

「市川くんは遊びたいのないの?」

「特に無いな」


私も特にないし、他の人はどうするだろうって思っていると、

「あれ面白そう」って、横山くんと前田くんがガンシューティングの個室? 垂れ幕の中に入っていく。


「えー、自由すぎない、二人とも」


立間さんが、呆れた様子でため息をつく。


「あれって、どんくらい時間かかるのかな?」

「分かんない。俺、やったことないし」

「機体にも書いてなさそう。うーん、じゃあ、三人で適当にゲーセンを見て回ろっか」