君の素顔に恋をした


注文して音の鳴るヤツを受け取って戻ると、席をとった場所には、横山くんだけじゃなく、市川くんも居た。


残念、二人っきりにはなれなかったか。

実際、二人っきりになったとしても、何話そう⁉︎ って、なるのは分かっているんだけど、なりたいって気持ちはある。


「立間さん達は?」

「まだ、迷い中みたいだよ」


市川くんが呆れた様子で言うから、私も苦笑してしまう。

さっき、お店を見て回っているときは、優柔不断って感じしなかったのに、ご飯は悩むタイプなのかな。


「これ以上待つと伸びそう。先食べてていいかな?」


市川くんは、セルフサービスタイプのうどんを注文したみたいで、もう目の前に完成されたうどんがある。


「いいんじゃない。あいつらが注文する前に、俺のも呼ばれそうだし」

「じゃあ、食べよ。横山は、何にしたの?」

「焼き肉定食」


ガッツリ系かぁ。

市川くんのうどんも並盛りでは無さそうだし、おにぎりも有るし、みんないっぱい食べるなぁ。


「呼ばれた」


横山くんは、音のなるヤツを持って席を立つ。

手持ちぶたさなので、うどんを食べている市川くんに話しかける。


「市川くんのそれって、大盛り?」

「特盛り」

「お腹いっぱいにならない?」

「なるけど、ならないと駄目じゃない?」

「それも、そっか」


ご飯食べたのに、まだお腹空いているってのも、おかしいもんね。


「うどん、おいしい?」

「美味しいよ」


話していると、私の音の鳴るヤツもなったので、取りに行く。

私が注文を受け取って戻って来た頃には、立間さんと、前田くんも戻って来ていた。


「美羽ちゃん、何にしたの?」

「親子丼だよ」


テーブルにトレーを置いて座る。


「それ、少なくない? 足りる?」


市川くんが、私のご飯を見て、心配そうに呟いた。


「大丈夫、足りるよ」

「もし足りなかったら、私のあげる!」

「俺のもあげるー」


立間さんと、前田くんがそう言ってくれるけど、


「二人は、何にしたの?」

「ちゃんぽんと餃子と半チャーハン」

「らーめんとたこ焼き」


いっぱいだなぁ。

……私が少ないだけで、みんなそんなものなのかな?


横山くんのトレーを見ると、言ってたとおり焼き肉定食が。たぶん、大盛り。

私が少ないみたいだ。