君の素顔に恋をした


「あれ、もう一時だ」

「マジか。腹減ったし、飯行こ」


適当に歩いているだけだが、時間は簡単に過ぎ去っていき、いつのまにか一時になっていたので、ご飯を食べることにする。

五人だと店舗じゃ席が取りづらいかもしれないから、フードコート向かった。


「わっ、混んでる。もう、一時なのにねー」

「ゴールデンウィーク最終日だからかな」

「二つに分かれた方が座れるか?」

「あ、あそこ、五人いけそうだよー」


空いていた場所にとりあえず座って、席を確保する。


「俺、ここで場所取ってるから、四人で先行ってきな」


市川くんがそう提案してくれるけど、一人だけ残すのは悪い。


「私も残るよ。決めるの時間かかるから、ここで見てから決めたいし」

「二人とも、ありがと。じゃあ、俺たち、行ってくるねー」


横山くんが、何を食べようか悩む姿を近くで見たい気持ちもあるけど、なに買ってくるか想像するのもいいよね。


「飯田も行って良かったのに」

「本当に悩んでるし、いっぱい歩いたから疲れてるの。ここで、ゆっくり決めてから行くよ。市川くんは決めたの?」


市川くんは、ぐるりとフードコートを見る。


「まぁ、麺系」

「麺好きなの?」

「そういうわけでもないけど。今は、麺の気分」

「そっか。私は、どうしようかな?」


ご飯系か、麺系か。スイーツ系は流石にお腹すくよね。

今の私はなんの気分だろう。


「時間かかりそうな料理なら、先行っていいよ」

「うん」


そう言ってくれたけど、なかなか決まらない。

フードコートの店舗をスマホで検索して、メニューを見ながら考えていると、横山くんが音の鳴るヤツをもって戻って来た。


「あいつら、決めるの遅いから先買ってきた。二人、行ってきなー」

「分かった。飯田は決めた?」

「あー、うん」


これの気分ってわけではないけど、この中だったらこれかなってのは見つけた。


「じゃあ、行こうか」

「うん」


本当は、横山くんと一緒に残りたいけど、席取りは一人で出来るので、私も立った。


もう決めたから、すぐに買って、すぐに戻ろ。

そしたら、二人だけにになれるかもしれないし。


目当ての店に行こうとしたら、市川くんが着いてくる。


あれ、この店、麺ものない気がするんだけど?


不思議に思って首を傾げると、衝撃的な言葉。


「飯田、一人で買える?」

「え、買えないって思われているの?」

「コミュ障だろ?」

「……確かにそうだけど、注文くらいなら出来るよ」

「ならいい。困ったら呼べよ」

「うん」


市川くん、優しいけど、私、そこまでコミュ障に思われてたのか。