「飯田」
心の中でモヤモヤしていたけど、市川くんに呼びかけられたから、意識がそっちに向かう。
「美術部って、ゴールデンウィークも部活あるの?」
「うん、毎日ではないけど有るよ。バスケ部は毎日?」
「流石に毎日じゃないよ。一日だけ休み」
「ほぼ毎日じゃん。大事な一日、どう休むか決めた?」
「出かける予定」
「体力有るね」
私、休みが一日しかないんだったら、絶対家にいる。
「そんな全力で遊ばないよ。ただ、買い物行くだけだから」
「そーそー、俺たちで、買い物行く予定なの」
前田くんが、自然に話に混じってくる。
「二人で?」
「ううん、バスケ部の四人だけど。あ、そうだ! 飯田さんも一緒に行こーよ!」
「え」
私も一緒に?
突然のお誘いに戸惑っていると、
「それいいね!」
話を聞いていたのか、立間さんも話に入ってくる。
市川くんは、私が人と交流するの苦手なの知っているから、「おい」って、ちょっと焦ってる。
「女子いた方がたつーも良いみたいだし、クラスメイトだしさー。ね、どーう?」
「そうだね……」
考えてみる。
立間さんと、市川くんがいる。
前田くんは、あんまり喋った事無いけど、まあ悪い人じゃないだろうし。
……横山くん。
一緒に出かけられるなら、すごい嬉しいけど、彼は何にも言わない。
嫌とも、良いなとも。
チラッと彼を見ると、目が合った。
それで、横山くんは笑った。
きゅん!
って、胸が跳ねる。
嫌そうな顔じゃなかったから、良いってことだよね……。
「……お邪魔じゃなかったら」
「全然、邪魔じゃないよー」
前田くんはヘラーって笑うので、私は「じゃあ、よろしく」って頷いた。



