君の素顔に恋をした


「あれ、美羽ちゃん、今、帰り?」


部活を終えて、下駄箱で靴を履き替えていたら、後ろから声を掛けられる。
 
顔を上げると、立間さんが居た。

制服に着替えて、リュックも持っているから、帰るところに見える。


「うん。立間さんも、今?」


バスケ部が終わるには、ちょっと早い気がするけど。


「そうなの、今日は早く終わったんだ。美羽ちゃん、一人? 駅まで一緒に行こ」

「うん」

「珍しいね、美羽ちゃんとタイミング合うの。いつもより遅いね?」


立間さんとは、どんどん仲良くなっていき、最近、名前で呼んでくれるようになった。


……私は、呼べてないけど。

嫌だとは思われないんだろうけど、ちょっとの勇気が全然でないの。


「今日は、家庭科部のお手伝いに行ってて」


こんな時間になっちゃったんだと話しながら歩いていると、


「あ、おーい」


校門のところにいる男子の一人が、私達の方に手を振った。


え、横山くんだ!

誰に話しかけているの? 


辺りを見回すが、周りに人はいなくて、立間さんが小さく手を振っていた。


「遅いぞー」


って、横山くんの隣で、前田くんが笑いかけている。


「ごめんね、時間かかった」


立間さんは、待ち合わせしていたような事をいう。

校門の所にいた男子は三人で、前田くんと、横山くんと、市川くん。

みんな、バスケ部だから、一緒に帰ろって話してたのかな。


……私、お邪魔じゃない?