君の素顔に恋をした



謝恩会も終わって、家に帰った後、自分の部屋で、卒業アルバムの彼のページを開く。

名前は、卒業証書を渡される時に呼ばれて知った。

そこには、真正面から写る彼の写真が載っていた。



「やっぱり、凄く格好いいや」


声が、こぼれ落ちた。


アルバムに納められた写真は、殆どがマスク姿だけど、いくつかマスクを取った姿もあって、探すと、彼のマスク無し写真も有る


そこには、笑っている彼の姿も有った。

私の想像していたクールな彼とは違くて、大きく口を明けて楽しそうに笑っていた。

その姿も、やっぱり格好良くて、胸がキュンとなる。

見れたのが嬉しくて、その分だけ辛くなる。



「こんな風に笑うだなんて、知らなかった」


笑うだけじゃ無い。

彼の将来の夢も学校での思い出も、どんな字を書くかだって、卒業アルバムを見て、今初めて知った。


私、彼の事、何にも知らないや。

三年間も好きだったのに。


その事実に、胸が張り裂けそうになって、涙が出てくる。



あー、もう、すっごい後悔だ。

もっと、頑張ればよかった。

恥ずかしがらなきゃ、怖がらなきゃ、よかったのに。


なんで私、何にもしてこなかったんだろう。

時間はいっぱい有ったのに。
三年間もあったのに。