飛んでいる最中、私達は五分間を数えてないから、突然笛が鳴って、終わる。
私達の結果は、354回。
今までで一番良いけど、その結果は!
一年生の六つあるクラスのうち、二位だった‼︎
一番じゃないのは残念だけど、みんな楽しかったみたいで笑ってる。
「疲れたぁ。でも、楽しかったね」
声を掛けてくれた立間さんに、私も頷けた。
これもきっと、横山くんのおかげだ。
あの時声が掛けられて居なかったら、焦って、もっとダメダメになってたかも。
教室へ戻る中、勇気を出して、ちょうど誰とも話していなかった横山くんに声を掛ける。
「横山くん」
彼は振り向くと、私のペースに合わせて歩き始める。
「飯田さん。お疲れー」
「お疲れ様。あの、ありがとう」
「何が?」
横山くんは、不思議そうにする。
「全部だよ。今日も、練習の時も、全部が助かったから、ありがとう」
「別に、お礼を言われるような事はしてないよ。今日は焦ってたみたいだから声を掛けただけだし、練習のは市川が考えた奴だから。でも、お役に立てたなら、良かった」
何でもないことのように、横山くんが笑う。
その優しさに、その笑顔に、また好きになっちゃうんだ。



