君の素顔に恋をした


休憩が終わり、一列になった所で、縄が回される。

タン、タン、と一定のリズムで。


一番前に並んだ男子から、飛んで行く。

みんなが、引っかからず飛んで行くのを見て、緊張してきた。


大丈夫、大丈夫、横山くんが飛べるって言ってくれたから、大丈夫。怖くない。


横山くんと飛んだ時の事を思い出しながら、私も前の人に続いて、飛ぶ!


よし!


前よりタイミングが分かる様になったかも。


私以外の苦手な子もそうなのか、手を繋ぐ前よりも、明らかに飛べるようになっている。


とは言っても、

「あ!」

引っかかっちゃう子は居るけど、

「大丈夫、落ち着いて」

さっきまでペアだった子が声を掛けるから、引っかかっちゃった子も下を向いていない。


みんな頑張っているからか、声を掛け合ったり、数字を数えたり、空気はいいけど、熱意も出てきた。



手つなぎ練習の成果は有ったみたいで、前回は、五分間で二百回くらいだったけど。

今回は、ゆっくりめにやった一回目で、二百八十回。

少しスピードを上げた、二回目には、三百三十回近くまで伸びた。


こうやって、ぐんぐん成長したから、「もしかしたら、一番になれるかも。本番もこの調子で頑張ろう! 」って、盛り上がっている。


こういった空気、本当はちょっと苦手だけど、壊したいとは思わない。

良い結果出せるように、私も引っかからない様に気を付けなきゃ。