君の素顔に恋をした


どうしよう、凄いドキドキする。

まだ、手を繋いでないのに、これから手を繋ぐって言うことにドキドキする。


私はそんな気持ちだけど、横山くんは? 

気になって見上げてみるが、彼に緊張している様子はない。


「じゃあ、二人組決まったからこのままの順番で大縄やってみよう。隣の人と、手繋いで」


まだ、心の準備出来てないのに!


横山くんは、「はい」と言って、気軽に私の前に手を差し出す。


私は、緊張で生まれた手汗をズボンで拭うと、差し出された手にそっと重ねた。

彼は、ゆっくりと握りしめる。


「わっ、ちっちゃ。大丈夫、痛くない?」


彼の手は簡単に私の手を包み込めるくらい大きくて、バスケをずっとしてきたからなのか、手の平だけど固くて、暖かい。

彼からすれば、私の手は正反対で、不思議そうにしている。


「う、うん。大丈夫」


気を使っているのか、握っているというより、その大きな手で包んでいるといった感じで、痛さは感じないが、隙間があるから、少しくすぐったい。


そして、凄くドキドキする。


繋がった手から、私の鼓動が聞こえているんじゃないかってくらい、私の心臓がドキドキしている。

ドキドキで死んじゃいそうだ。