市川くんと話してから、数日後。
二回目の大縄飛びの練習になった。
あの、手を繋ぐっての本当にやるのかな。
少し不安になりながら市川くんの指示に従って大縄飛びを始めるけど、普通にやるみたい。
手を繋ぐ事無く、一人一人飛んで行く。
良かった。
流石に手を繋ぐのは止めたみたいだ。
でも、普通の大縄跳びをした結果。
引っかかっちゃう人は相変わらず居て、私も一回だけ引っかかっちゃった。
五分間飛んで、みんなが休んでいる間、市川くんは、うーんと考えている。
あの時見た、別クラスの大縄飛びと比べてもっと頑張らなきゃと思っているのかも。
その予想は当たっていたみたいで、少しの休憩の後みんなを集合に掛けた市川くんは言った。
「試してみたいことがあるんだけど、良いか? 出来る人と、出来ない人で手を繋いで飛んで欲しいんだ」
市川くんの提案に、「えー」っと、良いのか悪いのか分からない、驚きの声が上がる。
まあ、そうなるよね。
高校生で、手繋ぐってのはね。
「こうした方が、飛ぶのが苦手な人でも飛ぶタイミングがわかりやすいだろ。それに、今回のクラスマッチは、クラス仲良くなるための物なんだから、ただ練習するんじゃなくて、レクリエーションとして仲良くなるためにもやってみない?」
……凄い。
凄くそれっぽい。
手を繋ぐのを、飛ぶのが苦手な子の練習の為ってだけじゃなく、クラッスマッチは仲良くなる為のものだから飛ぶのが上手な子にもやる意味は有るんだよって言ってる。
私は納得しちゃったけど、クラスのみんなは、どうしようみたいな感じで、ざわざわしている。



