岩花高校に入学して、横山くんと初めて話して、一週間とちょっと。

二人で話す事は、あの入学式の日以来、一度も無い。


クラスメイトとして連絡事項を話す事は有ったけど、それだけ。

それでも、話す事も無く片思いしていた間に比べればだいぶ進歩している。


だけど、本音を言えば、


もっと話したい‼


でも、何を話せば、どうやって話し掛ければ良いのか、分かんないよ……。


体育座りしている膝に顔を埋める。


うー、頑張るって決めたのに、なんも出来てない。


「飯田さん、大丈夫?」


俯いているのを心配したのか、声を掛けられる。


「あ、うん、大丈夫!」


顔を上げると、そこに居るのは、立間さん。


入学式の日のカラオケ行くときに、声を掛けてくれた子だ。

あの日をきっかけに仲良くなって、休み時間話したり、お昼を一緒に食べたり、時間が合ったら駅まで一緒に帰ったりしてる。