君の素顔に恋をした


電車に乗ってから、いくつかの駅を通り過ぎ、目的地に辿り着いた。

横山くんも同じ駅みたいで、一緒に降り改札を出る。
北出口で出るのも同じだ。


空を見上げると、日は沈んで暗くなった空に浮かぶ月の形は、新月に近く、凄く細い。

あまり高くはないけど、この辺りはビルに囲まれて明るいから、星もほぼ見えない。


同じように空を見上げていた、横山くんが私を見る。


「外、暗っ。送ろうか?」


「え、いや、大丈夫、バスで帰るから。バス停から家まではすぐだし。横山くんは、歩きなの?」


嬉しい提案だけど、バスの定期も持っているし、遠回りさせちゃうかもしれないから、一緒に歩いて帰るとは言えない。


「俺は自転車。じゃあ、バス来るまでは、一緒に待ってて良い?」


心配されているのかな?


スマホで時間を確認すると、次にバスが来るのは八分後だった。


「良いけど、十分もかかんないよ」


大きな駅では無いけど、駅前だから暗くは無いし、多少は人も居るから、別に大丈夫なんだけど。


「良いよ、一緒に待たせて。もっと、飯田さんと話したいからさ」


横山くんは、なんでこんなにも、嬉しい事ばっかり言ってくれるんだろう。