君の素顔に恋をした


カラオケメンバーで駅まで行くと、そこで解散になる。


市川くんは家が近いらしく歩き、立間さんは別方向の電車みたい。


……それで、横山くんは同じ方向なんだけど、さっきまでクラスの子が十数人いたのに、同じホームに向かうのは、私達二人だけだった。


二人っきり!

なにか話している訳じゃないのに、近くに居るってだけで一気に緊張してくる。


横山くん、想像より歩くの早くないから、距離が開くことは無く、私達が階段を降りたちょうどのタイミングで、ホームに電車が来た。

一番近い扉から、横山くんは乗る。


さっきまで近くに居たのに、別の扉から乗ったり、ホームで次の電車を待つのも変だよね……。


私も同じ扉から電車に乗った。


電車の中は、満員電車って程じゃないけど混んでいて、座れそうに無いくらい。

端っこの方に立つと、横山くんも近くに立つ。


こんな近くに居るの初めてだ。

……手を伸ばせば触れられる程に、近いなんて。


横山くんの方は見れないけど、見なくても彼の存在っていうオーラが有って、なんか良い匂いがするような気がして、緊張する。

スマホを見たって今は何も頭に入ってこないだろう、だから窓の外を眺めていると。


「イメチェンしたの?」


声は、唐突に掛けられた。