君の素顔に恋をした


カラオケが始まると、みんな今日が初めましてだからか、緊張している感じがあって面白い。

みんなが知っているような曲を書くからか、被る事も多いけど、被っちゃった人は、一緒歌ったりしていて、盛り上がっている。


私にとっても知って居る曲が多いから、聞いているだけでも楽しいな。



今、歌っている子から目を離して、遠く離れた所に座って居る横山くんを見る。


横山くんは、まだ歌ってない。

なに、歌うんだろうなぁ。


テーブルに置いているグラスを取って、レモンスカッシュをストローで一口飲む。

氷が溶けて、炭酸が抜けて、さっきより刺激が少なくなっている。


バンドソングとか? 流行のシンガーソングライターの曲とか?


ぼーっと考えながら飲んでいると、前の曲が歌い終わる。

一瞬音楽が止った後、有名な男性アイドルグループの曲が流れ始める。


私が小学校の時に流行ったドラマの主題歌だ。


誰が歌うんだろう?


グラスを置いて顔を上げると、マイクを持って横山くんが立った。

そして彼は、ノリノリで歌い出す。


……こういうの、歌うんだ。ちょっと、意外。


いやでも、これが、本当の彼なんだ。


凄く上手いとは言えないけど、ちょっと高いハッキリとした声が、アップテンポな青春ソングによく似合っている。


横山くん、楽しそう。


キラキラと輝いて、本当にアイドルみたいだ。


彼から目が離せない。

ドクドクと、私の心臓も早く鳴っていた。