君の素顔に恋をした


入学式と最初のHRが終わり、みんなが帰っていく中、十人ちょっとが教室に残っている。


これが、カラオケ行くメンバーなのかな。


あ、やった、横山くんもいる。

行くって、勇気出してみて良かった。


「市川、全員集まったぽいよ」

「そうみたいだ。じゃあ、カラオケ行くよー」


今回のカラオケを提案した結城さんと市川くんがみんなに声をかけ、率いていく。


着いていく人たちは、歩いている中、みんなそれぞれ、周りの人と話し始める。


……どうしよう。

今日勇気をだして話しかけた、席が前後の女子が居ない。


他に喋ったのは、隣の席の市川くんだけど、市川くんは、結城さんと話している。


話したい横山くんも男子と話してるし…。

誰に話し掛けようかと悩んでいる内に、ぼっちになる。


やっぱ、私、ダメだなぁ。


落ち込んで、顔を下げそうになった所で。


「飯田さん」


可愛らしい声に呼ばれる。


振り向くと、私より身長が十㎝くらい低いポニーテールの女の子がいた。

確か……立間さん。


「立間さん、だよね?」

「そうそう」


自信なさげに私が名前を呼ぶと、立間さんは嬉しそうに笑う。可愛い子だ。


「そのうさぎ、可愛いね。どこで見つけてきたの?」


立間さんは、私がスクバにつけている、小さなうさぎのぬいぐるみのキーホルダーを指さす。


「これは、自分で作ったの」

「え、すごい! お裁縫、得意なんだね」

「ありがとう。でも、得意ってわけじゃないよ。好きってだけで。これだって、お母さんにいっぱい手助けして貰ったし」


目をキラキラさせて褒めてくれるのが、恥ずかしくて卑屈になっちゃうけど、


「手伝って貰おうが、それだけ作れるなら凄いよ。縫い目とかめっちゃ綺麗! 私、お裁縫苦手だから、私がやったら絶対ガッタガタになっちゃう」


もっと恥ずかしくなるくらい褒めてくれる。


「ありがとう」


今の私、顔赤くなっているだろうな……。

嬉しいけど、恥ずかしい。