サラサラの黒髪、二重のつぶらな瞳、可愛い笑顔に、華奢な体。
まるで子犬みたいな母性本能をくすぐる容姿と仕草で、晴くんは小さな頃からみんなにモテモテだった。
その人気ぶりは当然中学に入学してからも変わらず、今では『思わず抱きしめたくなっちゃう子犬系男子』なんて言われていて、入学してまだ一ヶ月足らずなのに校内イケメン男子として女の子たちに大人気だ。
「千星が羨ましいよ。あんな可愛い幼なじみがいて」
「……そんなことないよ」
そうつぶやいた声は、「はい、ホームルーム始めるぞ~」という教室に入ってきた担任の先生の言葉にかき消された。
「進路調査票は来週までに提出して下さい」
先生がそう言った途端に教室中がざわめきだした。
配られたのは二者面談の日程表と、卒業後の進路について記入する進路調査票。
「千星、もう進路決めてる?」
ホームルームの後、前の席に座っている美雨ちゃんに訊かれた。
「う~ん……まだ全然決めてない」


