「パパ~はやくおほしさまみたい~」
わたし達のすぐ隣に座っている女の子が、一緒に来ているらしいお父さんに言った。
「もうすぐ始まるから、もうちょっと待ってて」
女の子のお父さんは、目を細めて女の子に言い聞かせている。
……可愛いな。
わたしも、よくあんな風にお父さんと一緒にここに来ていた。
あの頃は、お父さんがこんなに早くいなくなってしまうなんて思わなかったな……。
不意に胸の奥がしめつけられて、涙が溢れそうになった。
慌ててカバンからハンカチを取り出したその時、室内が暗転して上映が始まった。
久しぶりに観る、360度広がる満天の星。
夏の大三角と、それぞれの星座にまつわる神話。
小さな頃ここで観た時と同じ内容だ。
大好きで何度も来ていたから、観始めたらすぐに思い出した。
そして、プラネタリウムを観た日の夜は、お父さんとベランダに出て実際に星を探したんだ。
『人は命が消えたら星になって空から大切な人を見守るんだよ』


