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6月のある日の放課後。
俺は読みたい本を借りに行こうと図書室へ向かっていた。
この学校の図書室は北校舎と呼ばれている校舎にあって、3年の教室がある南校舎とは少し離れたところにある。
近道をするため裏庭を歩いていた時、反対側から走ってきた女子と肩がぶつかった。
「ごめんなさい」
慌てて謝って顔を上げた女子は、雨沢だった。
珍しく今にも泣きそうな思い詰めた顔をしている。
「どうした? なにかあった?」
思わずそう尋ねたけれど、雨沢は考え込むように黙り込んでしまった。
もしかしたら、言いたくないことなのかもしれない。
だけど、きっと雨沢の性格上、俺に迷惑をかけたくないとか、自分で何とかしようとしてるんだろうなと思った。
クラスメートとして、同じクラス委員として、一緒に過ごしてきたからなんとなくわかる。


