幽霊学級

視線を落とすと、怯えた表情の男子生徒がこちらを見ていた。
ここで僕が逃げたら、ますますイジメられるはずだ。
だから絶対に引かないつもりだった。
「嫌がってなんかないよなぁ? 幸雄くん?」
イジメられている子の名前は幸雄というらしい。
幸雄は左右に視線を揺らしてうつむいてしまった。
否定すれば殴られる。
そう思ってグッと押し黙ってしまっている。
「一体どれくらい前から幸雄くんをイジメてるんだ? すごく怯えてるじゃないか」
「お前には関係ねぇだろ!」
「関係あるよ! だって……」
チラリと和彰へ視線を向ける。
和彰はさっきから無言でずっと幸雄を見つめている。
「幸雄くんは僕の友達だから!」
叫ぶと同時に僕は1人に掴みかかった。
和彰が「あっ」と声を上げて止めようとするけれど、一歩遅かった。
僕は相手に体当たりをしてもみくちゃになりながら転がった。
「くそっ! 邪魔するな!」