幽霊学級

机の上に宿題のプリントと教科書を広げて答える。
Bの組の教室内には僕らしかいなかった。
「それは大変だ。早く授業に追いつかないと」
和彰はそう言うと丁寧に宿題を教えてくれた。
教えからも上手で、どんどん頭に入ってくる。
「この問題の数式はこれ」
「そっか。わかりやすいよ、ありがとう」
気がつけば他の生徒たちが登校してきていて、プリントの空白はすべて埋まっていた。
これでどうにか今日の宿題は提出できそうだとホッと胸をなでおろす。
「これくらいのことお安い御用さ。またわからないことがあったら言ってくれよ」
和彰はモテるんだろうな。
僕はそんなことを思ったのだった。

☆☆☆

この日も休憩時間になると和彰、誠、功介の3人が僕のところへやってきた。
転校生の僕が教室で1人にならないように気を使ってくれているのかもしれない。
「郁哉、お前宿題すげーじゃん」
功介が目を見開いてそう言ってきた。