幽霊学級

「ごめん。本当に郁哉が気にするようなことじゃないって」
和彰は優しい声でそう言い直したけれど、僕の胸の中には嫌な予感が渦巻いていたのだった。

☆☆☆

体育の授業が終わったあとは何事もなく時間だけが過ぎていった。
このまま怪異に出会うことなく帰れるだろうと思っていたとき、またも異変が起こった。
「校長室のモナリザが1年生の子に噛み付いたんだって!」
6時間目の授業が始まる前、顔を真っ青にした女子生徒がクラスに飛び込んできた。
その生徒は普段とてもおとなしくて、こうして大きな声を上げたのをみるのは初めてのことだった。
僕は他のクラスメートたちに混ざって校長室へと急いだ。
「校長室のモナリザっつっても、あれは本物じゃねぇのになんで」
と、淳がブツブツとつぶやいている。
「本物かどうかは関係ないんじゃない? ガイコツの模型だって本物の骨じゃないのに動いたんでしょう?
「それもそうか」