「郁哉はまるで大人みたいなことを言うようになったな」
「そうかな?」
首をかしげていると、「問題は勉強ね」
と、母親の言葉に一気に現実に引き戻される。
大ヶ原中学校は僕が前に通っていた中学よりも少しだけ偏差値が高いらしい。
初日だからまだ実感はなかったけれど、テスト期間に入ればそれも白日の元にさらされるはずだ。
「和彰はきっと勉強もできるんだと思う」
オムレツを口に運びながら僕は言った。
それに読書好きな誠は国語が得意そうに見えた。
いざとなればふたりにすがりついて勉強を教えてもらおうという考えだ。
「さっそく友達を頼りにして、全く」
母親は呆れ顔だけれど、初日からそんなに信用できる友人ができたことが嬉しそうだ。
「ごちそうさま! 宿題しなきゃ」
僕はたべた後の食器を流しへと移動させて、そのまま自室へと向かったのだった。

告白の返事

話しに聞いていた通り宿題は難しかった。