「家の中で親から威圧的な態度をとられているから、同じような態度を取る人間を見ると我慢ができなくなるみたいなんだ」
「それって淳のことだよね?」
「あぁ」
和彰はコクリと頷いた。
「淳はどうして僕にあんな態度を取るんだろう。気持ち悪いとかさぁ」
陰でネチネチと攻撃されるよりマシかもしれないけれど、気持ち悪がられる理由が未だにわからない。
淳と対話を試みてもいつもうまくいかないし、どうすればいいかわからなかった。
「あんなヤツはほっとけばいいんだ。転校生の郁哉を珍しく思っているだけだろうから」
「そうなのかなぁ?」
「そうだよ。郁哉は勉強の飲み込みも早いし、顔がいいから嫉妬してるんだ」
「顔がいいなんて、そんな」
照れ笑いをしていると和彰が楽しそうに笑った。
もしかしてからかわれたんだろうかと思ったが、言わないでおいた。
とにかく、これから先淳とも仲良くなれたないいなと、僕は思ったのだった。