幽霊学級

「功介、こっちにも!」
ボールを拾った功介に和彰が声をかける。
功介がボールを投げるとそれを両手でキャッチし、ダンクしながらゴールへ走る和彰。
早い!
さすがスポーツバカだと言われているだけあって、和彰の足は信じられないほど早かった。
あっという間にゴールの前までやってきて、ダンクシュートを決める。
ボールは地面に打ち付けられて何度も跳ね返り、やがて止まった。
「すごいね和彰!」
僕は思わず拍手してしまう。
練習を続ければプロにでもなれそうに見えた。
「これくらい朝飯前だよ」
和彰はそう言って笑ったのだった。

☆☆☆

「和彰は将来スポーツ選手になるの?」
体育の授業を終えて3人で廊下を歩いているとき、僕はそう質問した。
「できればそういう道に行きたいけど、上には上がいるからなぁ」
とは言えその顔は自信に満ちている。
本当に好きなことだからか、目もキラキラと輝いてみえた。