【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 繁原の好きな人は気になるが、そっとしておくか。

「誕生日プレゼント、何にするかな……」

 俺がそう呟くと、繁原は「婚約指輪でもあげたらどうだ?」と隣から言ってくる。

「婚約指輪……?」

「彼女、お前からのプロポーズ、そろそろ待ってたりしてな」

「プロポーズ……か」

 そういえばこの前父さんに絵梨紗を紹介した時にも「まだプロポーズしていないのか?」と言われてしまったな。
 確かにいつかはと思ってはいたが……今がもしかして、そのタイミングだったりするのか?

「誕生日プレゼントに婚約指輪なんてプレゼントしたら、彼女泣いて喜ぶかもな」

「……確かにな」

 やっぱりいい誕生日にしたいというものあるし、そういう手も……ありだよな。

「ま、俺が三国の彼女だったら、指輪とかもらっちゃったら嬉しいなと思ったけどね」

「お前、なかなか良いこと言うな」

「そうか? そりゃどうも」

 確かに絵梨紗のことは愛しているし、これからだってずっと絵梨紗のそばにいたい。
 それにいつかは、絵梨紗との子供だってほしい。

「結婚のタイミングで難しいなって思ってたけど、タイミングで自分で作るものなんだよな」

「はっ? 何言ってんだ、お前」

 俺は繁原に「繁原、お前なんだかんだとイイヤツだな」伝えると、繁原は「なんだよ。気持ち悪いこと言うな」とパソコンの画面に視線を落とす。

「やっぱり持つべきものは、恋愛下手な同僚だな」

「……それは褒めてるのか?」

「褒めてる、褒めてる。 ありがとうな、同僚よ」