「わかった。……じゃあ、俺のセンスで選ぶな」
「うん」
「とりあえず、気に入らなかったら言ってほしい。 選び直すから」
祥太くんはそう言ってくれるけど、私は選び直してもらう必要なんてないんだ。
「祥太くん、そんなこと、心配しなくていいよ」
「え?」
「私は何をもらっても嬉しいよ。 まず、選び直すことはないから安心して」
祥太くんはその言葉を聞いて「そ、そうか? わかった」と頷いてくれた。
「ありがとう、祥太くん。 祥太くんから初めてもらう誕生日プレゼントだから、私すごくワクワクしてる」
「おいおい。そんなにハードル上げないでくれよ」
「ふふふ。 楽しみにしてるね」
でも祥太くんは「俺のセンスが問われるな……。心配だ」と言っているけど、私は祥太くんからもらうものなんてなんでもいいんだ。
祥太くんの愛をそこに感じるし、祥太くんならきっと私に素敵なものを用意してくれると思うから。
期待して待っていよう。
「じゃあ、誕生日当日楽しみにしてて」
「うん、楽しみにしてるね」
祥太くんは「よし、じゃあ愛おしい絵梨紗のために一生懸命頑張らないとな」と笑っている。
「そ、そんなに気合い入れなくてもっ」
「だって二人で過ごす、初めての誕生日だろ? やっぱりさ、絵梨紗にとっても俺にとっても、いいものにしたいじゃん?」
「……ありがとう、祥太くん」
祥太くんのこういうロマンチックなところもたまらなく好きなんだ。
祥太くんが私のことを本当に考えてくれる証拠だから。



