【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「お母様、私も一生懸命祥太さんを支えられるように頑張ります。……なので、安心してくださいね」
 
 私がそう話すと、祥太くんは私を見つめる。

「……母さんは父さんに愛されて、きっと幸せだったんだろうな」

 リビングに戻る途中、祥太くんはそんなことを言った。

「え……?」

「いや、母さんの最後の顔、本当に幸せそうだったんだ。 なんか、微笑ましい顔をしていた」

「……そっか」

 きっと祥太くんのお父さんも、祥太くんのお母さんのことを誰よりと大切にしていんだと思う。
 ずっと祥太くんのお母さんだけは愛していて、幸せだったんだろうなと思う。

「俺、やっぱり父さんを尊敬する」

「うん」
 
 祥太くんがいるのは、お父さんとお母さんがいたからだ。 祥太くんのお父さんとお母さんがいなかったら、私は祥太くんと出会うことはなかった。
 祥太くんを産んでくれたおかげで、私には今がある。 祥太くんのお母さんとお父さんには、本当に感謝してる。

 私と祥太くんを出会わせてくれて、本当にありがとう。 私は祥太くんと出会えて本当に幸せだし、毎日が大切な日々になっている。
 
「さ、ロールケーキ食べて帰ろうか」

「うん」

 私たちはリビングへ戻り、紅茶とロールケーキを頂いた。

「今日は来てくれてありがとう、絵梨沙さん」

「こちらこそ、お時間作って頂いてありがとうございました」

「気を付けてな、祥太」

「ああ。 じゃあな」

「では、失礼します」

 祥太くんは車に乗り込むと、駐車場から車を発進させた。