祥太くんはお父さんの発言にビックリしてしまったのか、頭を抱えてしまっていた。
「祥太、まさかお前、まだプロポーズしていないのか?」
「ぷ、プロポーズっ……!?」
え、なに? なんの話……!?
祥太くんは、お父さんに一体なんの話をしてたの……!?
「父さん、余計なことを言わないでくれよ……」
「祥太、何をグズグズしているんだお前は」
え、待って? プロポーズってなに……?
私はただ紹介したいってことだけしか言われてなかったから、予想外の出来事に驚いている。
「父さん、絵梨沙が困ってるだろ」
「お前がグズグズしているからだろう」
私はそんな二人のやり取りを聞いて、驚いていたけどちゃんと親子なんだと思って嬉しい気持ちになった。
「ふ……ふふふ」
「絵梨沙……? どうした?」
「ううん。 なんでもない」
お父さんの前だと、結構素直なんだな、祥太くんて。……なんか祥太くんの新しい一面を知れて、嬉しい。
「済まないね、絵梨沙さん」
「はい……?」
私は祥太くんのお父さんに視線を向ける。
「みっともないところを見せてしまったみたいで」
そう言われた私は「いえ、お気になさらないでください」と微笑んだ。
「絵梨沙さんは本当に祥太にはもったいない人だ」
「そんなこと、ないです。……私、祥太くんのこと本当に大切な人だと思ってます」
私がそう話すと、祥太くんのお父さんは「……祥太は、とても素晴らしい人に恵まれたな」と微笑んでいた。



