【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「そうだな。 お前にはもったいないくらいの人だな」

「確かにな」

 祥太くんの隣で紅茶を飲んでいると、祥太くんのお父さんが「絵梨沙さん、こんなバカ息子だけど、これからもよろしく頼みます」と言われたので、私は紅茶のカップを置いて「こ、こちらこそ……よろしくお願いします」と頭を下げた。

「絵梨沙さんに、聞いてもいいかな?」

「はい。なんでしょうか?」

 今から何を聞かれるのかと緊張していると、祥太くんのお父さんから「祥太から絵梨沙さんの話は聞いているよ。 祥太は絵梨沙さんとの結婚を考えているようですが……絵梨沙さんはどうなのかな?」と聞かれて、私は思わず「え……?」と祥太くんを見た。

 け、結婚……? 祥太くんが、私との結婚を考えてくれているの……?
 何も聞いてなかったから、ちょっとビックリしている。

 祥太くんもそれを聞いてビックリしたみたいで、お父さんに向かって「おい、父さん!その話は……!」と慌てた様子だった。

「なんだ、お前はそのつもりだとこの間言っていたじゃないか」

「そ、それとこれとは話が違うだろっ!」

 こんなに慌てている祥太くんを見たのは、初めてかもしれない。
 祥太くんもこんな顔するんだな……。弁護士たるもの、常に冷静でいないと、なんていつも言っているのに。

「なんだ。今日はそのために来たんじゃないのか」

「いや、単純に紹介したいだけだよ」

「なんだ。てっきり結婚の許しをもらいに来たのかと思ったんだがな。 違うのか」

「もう、父さん……」