【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 祥太くんも少し緊張が解けたのか「同じか。 確かにそうだな」と少し微笑んでいた。
 
「待たせて済まない。 お茶にしよう」 

 そんな風にお互い話していると、祥太くんのお父さんがリビングへと戻ってきたのだった。

「俺やるよ、父さん」

「悪いな」

「気にするな」

 祥太くんのことをよく見ていると、祥太くんは目と鼻がお父さんに似ているような気がした。
 こうして見ると、やっぱり親子なんだと感じた。

「はい、絵梨沙」

「ありがとう」

 紅茶を注がれたティーカップから、紅茶のいい香りが程よく漂ってきた。

「紅茶のいい香り……」

「今日の紅茶は、スリランカのセイロンティーだよ」

 祥太くんのお父さんは「絵梨沙さんと言ったかな? 紅茶は好きかな?」と聞いてくれるので、「はい。紅茶は大好きです」と返した。

「そうか。なら良かった」

 紅茶と言えばインドとかスリランカが有名だけど、私は特にセイロンティーとかが好きだ。

「後、ロールケーキを用意したから、良かったら食べていってくれ」

「ありがとうございます」

 まさかロールケーキまで用意してくれているとは思わず、ちょっとだけクスッと笑ってしまった。

「ん? どうしたのかな?」
 
「あ、す、すみません! その、先ほど祥太さんから、お父様がロールケーキがお好きだとお聞きしたばかりでして……」

 私が申し訳なさそうにそう話すと、祥太くんのお父さんは「ああ、なるほど。そういうことか」と笑っていた。