【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 そんな会話をしていると、知らない間に祥太くんの家に到着したようだった。
 車をバック駐車で駐車場に停めた祥太くんは、車から降りる。

「絵梨沙、手貸して」

「ありがとう」

 相変わらず優しくエスコートしてくれる祥太くんの手を取り、車から降りた。

「よし、行こうか」

「……うう、緊張する」

 お腹が痛くなりそうな私に、祥太くんは「大丈夫だって」と声を掛けてくれる。
 祥太くんが玄関のインターホンを押すと、祥太くんのお父さんの声で「開いてるぞ」と聞こえてきた。

「入って、絵梨沙」

「お、お邪魔……します」

 段々と緊張が増してきて、心臓がドキドキしてくる。

「父さん、お待たせ」

「祥太、よく来たな」
 
 リビングへ通されると、祥太くんのお父さんが祥太くんの前に歩いてきた。

「祥太、こちらの女性がお前が紹介したい人か?」

「ああ、そうだ」

 私はお父さんに「あの、初めまして。……和倉絵梨沙と申します」と頭を軽く下げた。

「祥太の父です。 いつも祥太がお世話になってるみたいで、ありがとう」

「いえ、こちらこそ。……本日はお会い出来て光栄です」

 私は先ほど購入した手土産を「あの……つまらないものですが、良かったら食べてください」と手渡した。

「いやいや、そんなにお気遣いなく。 でもありがたく受け取るよ、ありがとう」

 祥太くんのお父さんは嬉しそうに微笑んでいた。

「せっかくだから、ゆっくりしていくといい。 今お茶を淹れてくるから」
 
「いえ、お構い無く」