【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「ありがとう、祥太くん」

 祥太くんの言うとおり道の駅があったので寄ってもらい、中へ入り手土産を探した。

「祥太くん、どれがいいかな?」

「んー、そうだな……」 

 祥太くんに「そういえば、お父さんはなにか好きなものある?」と聞いてみる。

「確か父さんはロールケーキが好きだったな」

「ロールケーキ?」

 へえ、意外……。ロールケーキが好きなんだ。

「まあ基本なんでも好きだぞ。 意外と大福とかも好きみたいだし」 

「そうなんだね。 ロールケーキとか大福は置いてありそうだね」
  
 金曜日の平日なのに道の駅は人で賑わっていた。私たちは店内を見ながら、それらしいものがあるかを探してみる。

「祥太くん、いちご大福とかどう?」

「いちご大福か。 いいんじゃないか」

 和菓子コーナーを見るといちご大福を見つけた。

「残念だけど、ロールケーキはないみたいだね」

「まあ仕方ないさ」

「いちご大福とこしあんの大福があるから、これにしようよ」

「わかった」

 祥太くんのお父さんへ渡す手土産にいちご大福とこしあんの大福を選んで三人分購入し、再び道の駅を出た。

「喜んでくれるかな、お父さん」

「喜ぶと思うけどね。 特にいちご大福は喜ぶさ」

「なら良かった」

 いちご大福を選んで良かったかもしれない。

「さっき父さんから連絡があってさ、今日仕事を早めに切り上げるってさ」

「あ、そうなんだね」

「早く会いたいって、絵梨沙に」

 そう言われたら余計に緊張する……!