「ね、いつぶりだろう? 私ももう三年くらい行ってないかも」
「俺は三年どころじゃないな。 もう数え切れないくらい行ってないな」
祥太くんがそう言うので、私は「向こうでもアウトレットとかあるのに、行ってなかったの?」と聞いてみた。
「ああ、行くって言っても遠かったしな。 買い物する時はいつもネットだし」
「まあネットショッピングって便利だもんね」
「まあな。 そもそも、わざわざ買いに行く必要性も感じてなかったし」
祥太くんは元々ネットショッピングでの買い物が多かったんだ。 そんなことも知らなかった。
だけど祥太くんのことまたを一つ知れたことが、嬉しいと思えた。
「でも絵梨沙と一緒に行く買い物は好きかな。楽しいし」
「本当に?……それは嬉しいな」
私も祥太くんと一緒にいると楽しいし、嬉しくもなる。
「だから今日、俺は絵梨沙とこうしてデート出来るのは嬉しいよ」
「……ありがとう、祥太くん」
祥太くんはハンドルを握り直すと「よし、じゃあ今日は思い切り楽しもうか」と微笑んだ。
「うん、よろしくね」
「ああ、任せろ」
祥太くんは車のナビの目的地にアウトレットを入力すると、ナビは早速ルート案内を始めた。
「安全運転でお願いします、祥太くん」
「任せなさい」
運転する姿の祥太くんの横顔は本当に美しくて、カッコ良かった。
運転する姿を見るだけでドキドキするし、キュンとする。
高速に乗り車を走らせること約一時間弱で、アウトレットへと到着した。



