【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「ね、いつぶりだろう? 私ももう三年くらい行ってないかも」

「俺は三年どころじゃないな。 もう数え切れないくらい行ってないな」

 祥太くんがそう言うので、私は「向こうでもアウトレットとかあるのに、行ってなかったの?」と聞いてみた。

「ああ、行くって言っても遠かったしな。 買い物する時はいつもネットだし」

「まあネットショッピングって便利だもんね」

「まあな。 そもそも、わざわざ買いに行く必要性も感じてなかったし」

 祥太くんは元々ネットショッピングでの買い物が多かったんだ。 そんなことも知らなかった。
 だけど祥太くんのことまたを一つ知れたことが、嬉しいと思えた。

「でも絵梨沙と一緒に行く買い物は好きかな。楽しいし」

「本当に?……それは嬉しいな」

 私も祥太くんと一緒にいると楽しいし、嬉しくもなる。

「だから今日、俺は絵梨沙とこうしてデート出来るのは嬉しいよ」

「……ありがとう、祥太くん」

 祥太くんはハンドルを握り直すと「よし、じゃあ今日は思い切り楽しもうか」と微笑んだ。

「うん、よろしくね」

「ああ、任せろ」

 祥太くんは車のナビの目的地にアウトレットを入力すると、ナビは早速ルート案内を始めた。

「安全運転でお願いします、祥太くん」

「任せなさい」

 運転する姿の祥太くんの横顔は本当に美しくて、カッコ良かった。
 運転する姿を見るだけでドキドキするし、キュンとする。

 高速に乗り車を走らせること約一時間弱で、アウトレットへと到着した。