【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「絵梨沙、お待たせ」

「祥太くん、今日は来てくれてありがとう」
 
 私の休みの日に合わせて、祥太くんが車で迎えに来てくれた。

「さ、乗って。早速行こう」

「うん」

 祥太くんの車の助手席に乗り込んだ私は、シートベルトを着用した。

「今日はちょっと羽根を伸ばして、アウトレットにでも行かないか?」

「アウトレット?」

「ああ。 去年出来ただろ?隣の県にさ」

「あ、あそこ? いいね、行きたい!」

 去年隣の県の県庁所在地に、大型のアウトレットが出来た時にニュースになっていたのを覚えている。
 あそこ遠かったからずっと行けてなかったけど、ずっと行きたかったから嬉しい。

「ずっと行きたかったんだ、あそこのアウトレット」

「そうだと思った」

 私はそう言われて「え、なんでわかるの?」と祥太くんに問いかけた。

「前にアウトレットのこと調べてただろ?」

 え、まさか見られてた……?
  
「祥太くん、よく見てるんだね、私のこと」

「……そりゃあな、絵梨沙のことはなんでも知りたいしな」
  
 なんでも知りたい……か。 私も祥太くんのこと、なんでも知りたいなって思う。
 
「ありがとう。 私も祥太くんのこと、たくさん知りたい」

 私が微笑むと、祥太くんも「それは嬉しいな」と微笑んでいた。

「アウトレットなんて久しぶりだな」

「私も久しぶり。もう何年も行ってないかも」

「俺も何年も行ってないな。 いつぶりだろうな」
 
 二人でアウトレットデートなんて、楽しみだ。