「絵梨沙、お待たせ」
「祥太くん、今日は来てくれてありがとう」
私の休みの日に合わせて、祥太くんが車で迎えに来てくれた。
「さ、乗って。早速行こう」
「うん」
祥太くんの車の助手席に乗り込んだ私は、シートベルトを着用した。
「今日はちょっと羽根を伸ばして、アウトレットにでも行かないか?」
「アウトレット?」
「ああ。 去年出来ただろ?隣の県にさ」
「あ、あそこ? いいね、行きたい!」
去年隣の県の県庁所在地に、大型のアウトレットが出来た時にニュースになっていたのを覚えている。
あそこ遠かったからずっと行けてなかったけど、ずっと行きたかったから嬉しい。
「ずっと行きたかったんだ、あそこのアウトレット」
「そうだと思った」
私はそう言われて「え、なんでわかるの?」と祥太くんに問いかけた。
「前にアウトレットのこと調べてただろ?」
え、まさか見られてた……?
「祥太くん、よく見てるんだね、私のこと」
「……そりゃあな、絵梨沙のことはなんでも知りたいしな」
なんでも知りたい……か。 私も祥太くんのこと、なんでも知りたいなって思う。
「ありがとう。 私も祥太くんのこと、たくさん知りたい」
私が微笑むと、祥太くんも「それは嬉しいな」と微笑んでいた。
「アウトレットなんて久しぶりだな」
「私も久しぶり。もう何年も行ってないかも」
「俺も何年も行ってないな。 いつぶりだろうな」
二人でアウトレットデートなんて、楽しみだ。



