【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 指名されたその場所は、なんと祥太くんのお家だった。

【ここ、俺の実家】

 それだけ書いてあったけど、祥太くんの家に行くのなんて初めてで、緊張してしまう。

「どうしよう……お家、だよね」

 まさかこんな早い段階で祥太くんのお家に行くことになるなんて、思わなかった……。
 いずれはそうなるかもしれないと思ってはいたけど、こんなに早くくるなんて……。

【金曜日休みだよな? 車で家まで迎えに行くよ】

【いいの? ありがとう】

 そう送ったのはいいものの、いきなり祥太くんのお家に行くという事実を突きつけられ緊張が増していく。

【あのさ、洋服どんなのを着ていけばいいかな? 私、ドレスとか持ってないんだけど!】

 そうメッセージを送ったら、祥太くんから【ドレスなんて、かしこまったものじゃなくて大丈夫だよ】と返信が返ってきた。 

【そういう訳にはいかないよ! 
私はお父さんに紹介してもらう側になる訳だし、ちゃんとした服装で行かないと失礼に当たる気がするよ】

 これは本当に私の本音だ。 だからこそ、ちゃんと祥太くんに恥じない女性でありたいと思っている。
 祥太くんのお父さんは厳しい人だと聞いたことがあるし、失礼などあったらイケない気がする……。

【絵梨沙は本当に気遣いの出来る人だな。
そう言ってもらえて嬉しいよ、ありがとう】
 
 祥太くんはこんな私に、こうした優しい言葉をかけてくれる。
 それだけで私の心は救われるし、華やかになる。

【俺も一緒に選ばせてくれないか?】