【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。

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【来週の金曜日の夜、空けといてほしい】

 祥太くんから連絡が来たのは、その前の週の水曜日の夕方頃だった。

【金曜日の夜?】

 金曜日の夜に何かあるのかな?と思っていると、祥太くんからメッセージで【父さんが、金曜日の夜に時間作ってくれるみたいなんだ】と返信が来た。

「あ、そういうこと……か」

 祥太くんのお父さんに会ってほしいと言われてから数週間が経ったけど、ようやくお父さんの都合が合ったってことなのだと思う。

【わかった。 じゃあ空けておくね】

【ありがとう。時間と場所は追って連絡するよ】

【わかった】

 祥太くんとお父さん、どんな人なんだろう? すごい人だってことはわかるけど……。
 なんか考えただけで緊張してしまう。 どうしよう。

「金曜日……」

 スマホを開きシフト表を確認すると、金曜日はお休みの日だった。
 
「どうしよう。服ってなにを着ればいいんだろう!?」

 祥太くんのお父さんは、とてもすごいお医者さんだ。 いつものカジュアルな格好で行ったら絶対に場違いになることは目に見えている。
 どうにかして新しい服を新調しないと……。

 どうしよう。ドレスコードみたいな服、私持ってないかも。
 ワンピースならあるんだけど、ワンピースとかじゃ変だよね? ドレスみたいなのなんて着たことはないし、どうするべきかがわからない。

 すると祥太くんからメッセージで、当日の場所と時間が書かれた地図が送られてきた。
 
「えっ……ここって?」