【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 
 智世が私を心配そうに見るので思わず「あ、ち、違うの! その……そうじゃなくて」と返事をする。

「え、なに?……まさか絵梨沙、三国くんとそういう関係!?」

「まあ、その……簡単に言うと、そうなるのかな」

 なんだか妙に緊張して恥ずかしくなる。

「えっ!ウソ! おめでとう!」

「あ、ありがとう」

 智世はちょっと驚いてはいたけど「そっか。なるほどねえ……。付き合ってるんだ、二人」とニヤニヤしている。

「うん、一応……」

 智世はホッとしたのか「だって絵梨沙、三国くんと連絡取らなくなってから暗かったもんね。 ずっと元気ない感じだったもん」と言っていた。

「え? そうかな」

「そうだよ。 三国くんに告白してそれが最後にするなんて言ってたけど、ちっとも忘れられなかったんだね」

 私は智世の言葉を聞いて、まさにそのとおりだと思ってしまった。
 ずっと忘れられなかった祥太くんのことを思い出しては、想いに打ちひしがれてばかりだったし。
 あの時の私は本当に情けなかったと思う。

「確かにそうだね」

「……で、どっちから告白したの?」

 智世がそう聞いてくるので「三国くんから」とだけ答えた。

「そっか。……三国くんも、絵梨沙と同じだったんだね」

「え?」

「忘れられなかったんでしょ?絵梨沙のこと。 二人って本当にもだもだしてたんだね」

「も、もだもだ……?」

 私たちって、自分たちから距離を取り合ってたのは間違いないけど、それはもだもだだったんだろうか。