「子供ちゃん元気?」
「もうかなり元気。男の子だし、活発だよ」
「そっかあ」
智世にはまだ祥太くんのことを実は話してなかった。 だから今日、祥太くんのことを智世に話そうと思っていたのだ。
「とりあえずなんか頼もうよ」
「そうだね。そうしよう」
メニューを開き、何を注文するか決めていく。
「見て、レディースセットなんてあるよ」
「本当だ。 しかも安いね」
レディースセットはハーフオムライスにハーフハンバーグ、ハーフパスタにサラダ、デザートまで付いて1250円という価格なので、私たちにはちょうど良さそうだ。
「安くて色々食べれるし、これにしようか」
「そうだね」
ボタンを押して店員さんを呼び、二人でレディースセットを注文した。
注文したものが来るまで、智世と話をすることにした。
「ねえ、智世。三国くんて、覚えてる……?」
「三国くん? うん、もちろん覚えてるよ」
智世はお冷を口にすると「三国くんがどうかしたの?」と聞いてくる。
「あのさ、三国くんが日本に帰ってきたのって知ってる?」
「え、そうなの?」
「うん、最近日本に帰ってきたみたいでさ」
私はお絞りを袋から開けて手を拭く。 そんな様子を見た智世は何かを察したのか、「もしかして絵梨沙、三国くんと会った感じ?」と問いかけてくる。
「うん、まあ……会ったっていうか……ね」
なんだか急に恥ずかしくなってモゾモゾしてしまう。
「え、なに? 三国くんとなんかあった?」



