【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



「子供ちゃん元気?」

「もうかなり元気。男の子だし、活発だよ」

「そっかあ」

  智世にはまだ祥太くんのことを実は話してなかった。  だから今日、祥太くんのことを智世に話そうと思っていたのだ。

「とりあえずなんか頼もうよ」

「そうだね。そうしよう」

 メニューを開き、何を注文するか決めていく。

「見て、レディースセットなんてあるよ」

「本当だ。 しかも安いね」

 レディースセットはハーフオムライスにハーフハンバーグ、ハーフパスタにサラダ、デザートまで付いて1250円という価格なので、私たちにはちょうど良さそうだ。

「安くて色々食べれるし、これにしようか」

「そうだね」

 ボタンを押して店員さんを呼び、二人でレディースセットを注文した。
 注文したものが来るまで、智世と話をすることにした。

「ねえ、智世。三国くんて、覚えてる……?」

「三国くん? うん、もちろん覚えてるよ」

 智世はお冷を口にすると「三国くんがどうかしたの?」と聞いてくる。

「あのさ、三国くんが日本に帰ってきたのって知ってる?」

「え、そうなの?」

「うん、最近日本に帰ってきたみたいでさ」

 私はお絞りを袋から開けて手を拭く。 そんな様子を見た智世は何かを察したのか、「もしかして絵梨沙、三国くんと会った感じ?」と問いかけてくる。

「うん、まあ……会ったっていうか……ね」

 なんだか急に恥ずかしくなってモゾモゾしてしまう。

「え、なに? 三国くんとなんかあった?」