【絵梨沙、今日の夜会えないか? 話したいことがある】
お母さんの葬儀へ行っている祥太くんから、突然連絡が来た。
【話? うん、わかった】
どうしたんだろう?祥太くん。 今日はお母さんの葬儀だって言ってたから、連絡はこないと思っていたんたけど。
【19時に家で待ってる】
【わかった】
私はそう返信すると、スマホをポケットへ戻した。
「絵梨沙ちゃん、これ新刊届いたから並べてくれる?」
「わかりました」
祥太くんのことが心配ではあるけど、今は仕事に集中しないと……。
休憩を挟みながら定時で仕事を終えた私は、祥太くんに【仕事終わった。今からそっちに行くね】とメッセージを残し、祥太くんの家へ向かった。
✱ ✱ ✱
祥太くんの家のインターホンを押すと、祥太くんはすぐに玄関を開けてくれた。
「祥太くん、お待たせ」
「絵梨沙、お疲れ。急に呼び出してごめん」
「ううん、大丈夫だよ」
祥太くんはリビングへと通してくれた。
「今コーヒー淹れるな」
「あ、ありがとう」
今日の祥太くんは、少しだけ表情が暗いような気もする。
「はい、コーヒー」
祥太くんはテーブルにマグカップを置いてくれる。
「ありがとう」
祥太くんは私の隣に座ると「ごめんな。急に呼び出して」とコーヒーを飲む。
「ううん。 話ってなに?」
私はマグカップをテーブルに置くと、祥太くんを見る。
「今日……父さんと久しぶりに話をしたんだ」
「……そうなんだね」



