【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。

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「祥太、ちょっといいか」

 無事に葬儀が終わると、父さんから俺に話し掛けてきたのだった。

「……いいけど、なんだよ」

「話があるんだ」

「話?……わかった」

 俺は父さんの後を着いていく。

「座りなさい」

「ああ」

 リビングのソファに座った父さんは「祥太、済まないな、突然」と言ってきた。

「いや、全然いいけど。 話って、なんだよ」

 父さんから話があるなんて言われるとは思ってはなかった俺は、何を言われるのかと思ってドキドキしていた。

「母さんのことだ」

「……母さんのこと?」

 俺は父さんに静かに視線を向ける。

「母さんからお前のことは聞いていた。 弁護士として頑張ってるとな」

「……そうか。聞いていたか」

「しかし、私の言うことを聞かずに医者にならずに弁護士になるとはな。 私の育て方は間違っていたようだな」

 父さんからそう言われた俺は「悪いな、医者にならなくて」とつい返してしまう。

「まあ私の跡を継いで医者になってくれたら、良かったが……仕方がなかろう。お前の決めた人生だからな、私にもそれを責める権利などない」

「父さんは、俺が弁護士になることに今でも反対なんだろ?」

 俺が父さんにそう聞くと、父さんは少し沈黙を貫きながらも「でも今さら医者になれと言っても、どうせお前は医者にはならないんだろ」と言ってきた。

「……まあ、ならないけど」

「母さんはお前が弁護士になったことをとても喜んでいた。……だからお前は、これからも弁護士を続けなさい」