【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。

✱ ✱ ✱



「祥太くん、これからもよろしくね」

「こちらこそ、よろしく」

 両親への挨拶を済ませた後、大安吉日と一粒万倍日という縁起のいい日を狙って、私たちは無事に入籍を済ませた。

「今日から夫婦になるんだね」

「そうだな」

 なんかまだ、実感がない。 でも、私たちはこれからもずっと一緒にそばにいる。
 お互いの足りないところを補いあって、一緒に生きていく。

「改めまして、三国絵梨紗です。 よろしくお願いします、旦那様」

「よろしくお願いします、奥様」

 奥様と旦那様ってまだ全然言い慣れないけど、きっとこれから徐々に馴染んでくると思う。

「なんか……照れくさいね」

「そう……だな」

 でも私は、祥太くんの妻としてこれからしっかり生きていくことを決めている。
 どんな時も、祥太くんのそばにいるんだ。

「祥太くん、指輪お揃いだね」

「俺も付けることにしたよ、結婚したし」

「うん、似合ってる」

 結婚してすぐに、祥太くんも結婚指輪を付け始めた。
 祥太くんの左手の薬指に輝くその指輪も、とても素敵だ。祥太くんにぴったりなシルバーカラーだ。

「私もこれから名前変えたりしないとだし、ちょっと大変だな」

「まあでも、落ち着いてからでもいいさ」

「うん」
   
 とりあえずしばらくは職場では旧姓のままでいこうと思うけど、時を見て名前を変更しようとは思っている。

「三国絵梨紗か……。まだ慣れそうにないね」

「そのうち慣れるさ」
  
「そうだね」