【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


 
【絵梨紗、もう着くよ】

 祥太くんからのメッセージが届いた私は、すぐに玄関へと降りた。

「祥太くん」

「お、絵梨紗。お待たせ」

「来てくれてありがとう」

 祥太くんは「これ、丘島ロール買ってきたよ」と嬉しそうに見せてくれた。

「ありがとう。 二人とも喜ぶよ」

 私は祥太くんを家の中に招き入れた。

「お邪魔します」

「どうぞ、入って」

 祥太くんが家の中に入ると、両親が「いらっしゃい」とリビングで出迎えてくれた。

「あ、初めまして。 絵梨紗さんとお付き合いさせて頂いている、三国祥太と申します」

 祥太くんがリビングで挨拶をすると、お母さんが「あなたが三国さんね。 ようこそ、我が家へ」と明るく振る舞っている。

「あの、これ大したものじゃないんですが、丘島ロールです。 良かったら皆さんで食べてください」

 祥太くんが丘島ロールを両親がに渡すと、両親は「あら、丘島ロールじゃない!? これ、美味しいのよね!」とテンションが上がっている。

「三国さん、うちの娘がいつもお世話になっています。 絵梨紗の母です」

「絵梨紗の父です。 今日は、ようこそ我が家へ」

 お父さんはなんだか緊張している様子だったけど、私よりが選んだネクタイを着用している。

「初めまして、お会い出来て光栄です。 本日はお忙しい中、お時間作ってくださりありがとうございます」

 さすが祥太くん、弁護士さんという職業柄、やはり丁寧な対応だ。 祥太くん、やはり尊敬してしまう。

「さ、座ってください」