【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。


「おはようございます」

「おはようございます」 

 そして私はその日、出勤してから金町さんに「絵梨紗ちゃん、なんかいいことあったの?」と聞かれたので、「はい。いいことありました」と答えた。

「なになに?なにがあったの? ちょっと、おばちゃんにも聞かせて〜」

 金町さんは私の変化にすぐに気付くので、観念するしかなかった。

「実は……昨日、プロポーズされたんです」

「えっ! 本当に!?」

「はい」

 プロポーズされたと自分で言っただけで恥ずかしくなるけど、やっぱり嬉しいが勝ってしまう。

「ええっ! おめでとう、絵梨紗ちゃん!」

「ありがとうございます」

 金町さんも嬉しそうに「そっかあ。絵梨紗ちゃんもついに結婚かあ」と微笑んでいる。

「はい。 まだ実感ないですけど」

「あ、じゃあその左手の指輪は……?」

 金町さんは私の左手の薬指の指輪に視線を向ける。

「はい……昨日くれました」

 少しだけ指輪を見せてみる。

「あら〜、素敵な指輪じゃない! 似合ってるわよ」

「ありがとうございます」

 祥太くんからもらったこの指輪は、一生の宝物だ。 絶対に外さない。

「絵梨紗ちゃんもついに結婚かあ……。なんかしみじみしちゃうわね」

「え、そうですか?」

「そうよ! 私は絵梨紗ちゃんの第二のお母さんだと思っているんだから」

 金町さんが自分のことのように喜んでくれるから、私も嬉しくなってしまう。

「金町さん、ありがとうございます」

「幸せになってね、絵梨紗ちゃん」

「はい」