【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 あっという間に家に着いた私は、祥太くんに「送ってくれてありがとう」とお礼をして家に入った。

「ただいま」

「あら、絵梨紗おかえりなさい。 また朝帰りだったのね」
 
「うん、ごめん。彼氏のところに泊まってて」

 お母さんは「そうよね。 昨日絵梨紗、誕生日だったもんね」と嬉しそうに微笑んでいた。

「うん。彼氏が祝ってくれて」

「過ぎちゃったけど、お誕生日おめでとう絵梨紗」

 お母さんは「はい、お母さんとお父さんからの誕生日プレゼント」と冷蔵庫からケーキを取り出してくれた。

「あ、ケーキだ。……ありがとう、お母さん」

 私は「仕事あるから、帰ったら後で食べるね」と伝えた。

 そうだ、結婚のこと言わないと……。

「あ、あのさ、お母さん」

「ん? なに?」
 
 私はお母さんに「今週どこか、時間作って欲しいんだけど」と伝えると、お母さんは「あら、どうして?」と聞いてくる。

「彼氏のこと紹介したいの……お母さんとお父さんに」

「え? 絵梨紗、それってもしかして……?」

 お母さんは私の言葉に気付いたようで、「もしかして……そういうことで合ってる?」と私を見る。

「うん。……昨日、彼からプロポーズされたの」

「そう。 そうなのね、おめでとう!」

 お母さんは私を軽く抱き寄せる。
  
「絵梨紗、本当におめでとう。 幸せになってね」

「ありがとう、お母さん。 じゃあ、私仕事行かないとだから、また改めて話すね」

「ええ、わかったわ。お父さんにも話しておくわね」

「うん」