あっという間に家に着いた私は、祥太くんに「送ってくれてありがとう」とお礼をして家に入った。
「ただいま」
「あら、絵梨紗おかえりなさい。 また朝帰りだったのね」
「うん、ごめん。彼氏のところに泊まってて」
お母さんは「そうよね。 昨日絵梨紗、誕生日だったもんね」と嬉しそうに微笑んでいた。
「うん。彼氏が祝ってくれて」
「過ぎちゃったけど、お誕生日おめでとう絵梨紗」
お母さんは「はい、お母さんとお父さんからの誕生日プレゼント」と冷蔵庫からケーキを取り出してくれた。
「あ、ケーキだ。……ありがとう、お母さん」
私は「仕事あるから、帰ったら後で食べるね」と伝えた。
そうだ、結婚のこと言わないと……。
「あ、あのさ、お母さん」
「ん? なに?」
私はお母さんに「今週どこか、時間作って欲しいんだけど」と伝えると、お母さんは「あら、どうして?」と聞いてくる。
「彼氏のこと紹介したいの……お母さんとお父さんに」
「え? 絵梨紗、それってもしかして……?」
お母さんは私の言葉に気付いたようで、「もしかして……そういうことで合ってる?」と私を見る。
「うん。……昨日、彼からプロポーズされたの」
「そう。 そうなのね、おめでとう!」
お母さんは私を軽く抱き寄せる。
「絵梨紗、本当におめでとう。 幸せになってね」
「ありがとう、お母さん。 じゃあ、私仕事行かないとだから、また改めて話すね」
「ええ、わかったわ。お父さんにも話しておくわね」
「うん」



