祥太くん以外、目に見えない……は言いすぎだけど、祥太くん以外を私が好きになることはない。
「絵梨紗がこれ以上キレイになったら、困るな。 絵梨紗のこと狙う男が出てきそうだ」
祥太くんはそう言うけど、私にはその心配はないんだ。
「大丈夫だよ。 私には、祥太くんがくれたこの指輪があるんだから」
祥太くんがくれたこの指輪が、何よりの証。 私たちを繋ぐ宝物だから。
これがある限り、私たちは離れることはないのだから。
「これ、絶対に外しちゃダメだからな」
祥太くんが指輪ごと私のその指に触れてくるけど、私は「絶対に外さないよ。 祥太くんと私の愛の証だもん」と微笑んだ。
「絵梨紗と夫婦になれるなんて、夢みたいだ」
「……私もだよ」
祥太くんと夫婦になれる喜びを、私は強く噛み締めていた。
「さ、もう遅いし、寝ようか」
「うん。……おやすみなさい」
「おやすみ、絵梨紗」
私は祥太くんに抱き締められながら、心地良い気分で眠りについた。
✱ ✱ ✱
「んん……ん……」
翌朝、カーテンから漏れる太陽の眩しい光で私は目を覚ました。
「おはよう、絵梨紗。起きた?」
「ん、おはよう……祥太くん」
祥太くんから目覚めのキスをもらうと、ベッドから起き上がる。
「絵梨紗、今日仕事何時から?」
「今日は遅番だから夜九時までだよ」
「じゃあ、シャワー浴びてきな。 着替えたら、家まで送るよ」
私は祥太くんに「うん、ありがとう」と伝え、シャワーを浴びさせてもらった。



