【完結】七年越しの初恋は甘く熱く、ほろ苦く。



 祥太くん以外、目に見えない……は言いすぎだけど、祥太くん以外を私が好きになることはない。

「絵梨紗がこれ以上キレイになったら、困るな。 絵梨紗のこと狙う男が出てきそうだ」

 祥太くんはそう言うけど、私にはその心配はないんだ。

「大丈夫だよ。 私には、祥太くんがくれたこの指輪があるんだから」

 祥太くんがくれたこの指輪が、何よりの証。 私たちを繋ぐ宝物だから。
 これがある限り、私たちは離れることはないのだから。

「これ、絶対に外しちゃダメだからな」

 祥太くんが指輪ごと私のその指に触れてくるけど、私は「絶対に外さないよ。 祥太くんと私の愛の証だもん」と微笑んだ。

「絵梨紗と夫婦になれるなんて、夢みたいだ」

「……私もだよ」

 祥太くんと夫婦になれる喜びを、私は強く噛み締めていた。
 
「さ、もう遅いし、寝ようか」

「うん。……おやすみなさい」

「おやすみ、絵梨紗」

 私は祥太くんに抱き締められながら、心地良い気分で眠りについた。


✱ ✱ ✱


「んん……ん……」

 翌朝、カーテンから漏れる太陽の眩しい光で私は目を覚ました。

「おはよう、絵梨紗。起きた?」

「ん、おはよう……祥太くん」

 祥太くんから目覚めのキスをもらうと、ベッドから起き上がる。

「絵梨紗、今日仕事何時から?」

「今日は遅番だから夜九時までだよ」

「じゃあ、シャワー浴びてきな。 着替えたら、家まで送るよ」

 私は祥太くんに「うん、ありがとう」と伝え、シャワーを浴びさせてもらった。