――ちなみに、どうして私と玲くんが二人で買い出しにきているのかといえば、玲くんの一言がきっかけだった。
「千夏子さん、尊たちとばかりズルいですよ。今度は俺とも一緒に出掛けてください」
しゅんと眉を下げた悲しげな顔で言われてしまえば、断るなんてできるわけもない。
というか、玲くんからの誘いを断るつもりなんてはなからなかったし。
ということで、買い出しついでに、二人で近場のカフェに行くことにしたんだ。
学校から帰ってきてすぐに家を出たから、お互いに制服姿のままだ。
家では私服でいることがほとんどだし、玲くんとは校舎が違うから、まだ少し見慣れないところがある。
こうして私とはデザインの違う制服姿の玲くんと歩いていると、彼はまだ中学生なんだよなぁって、改めて実感しちゃう。
玲くんは可愛らしい顔立ちをしてはいるけど、背丈も大きいし、元々大人びた雰囲気を持っている。
それに家にいる時は率先して家事も手伝ってくれるし……私より年下だってことを忘れそうになるんだよね。



