【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「ほれ、オマエたちも挨拶せんか」


組長さんに促されて、座布団の上に腰を下ろした男の子たちが、順番に自己紹介をしてくれる。


「はじめまして、一色尊(いっしきみこと)です。この春高校二年生になるから、千夏子ちゃんの一つ上になるのかな? よろしくね」


初めに挨拶をしてくれたのは、肩上まで伸びている長めの紫色の髪をハーフアップにしている男性だ。

すごく優しそうなお兄さんだけど、何だか、漂う色気がすごい。

それに、ニコニコ笑っているはずなのに、何を考えているのかよく分からない。

私が今まで関わったことのないタイプの男の人かもしれない。


「……藤春玲(ふじはるれい)。十四歳」


明るい金髪に、爽やかな甘いマスクをもった男の子は、私よりも一つ年下らしい。

十四歳ってことは、まだ中学生かな?
 
名前と年齢だけ言うと、興味なさげにそっぽを向かれてしまった。