【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~



「あー、そっか。お嫁さんじゃなくて、お嫁さんになるかもしれない子?」

「っ、はぁ!?」


訂正した由紀さんの言葉で、彼女さんの怒りはマックスだ。

もう火に油を注ぐだけだから、何も言わないでほしい。

それか私のいないところでやってほしい。


巻き込まれたくなくてこっそり逃亡をはかろうとしたけど、彼女さんにギロリと怖い目で睨まれてしまい、それは失敗に終わってしまった。


「ちょっと! あなた、本当に由紀と結婚する約束をしてるわけ!?」

「いや、その……結婚する約束をしているわけではないです」

「それなら、由紀のことは遊びだっていうの!? サイテイじゃない!」

「いえ、由紀さんとはこんな風に出かけたりとか、遊んだことすらないですけど……」

「遊んだことすらないって、まさか……あなた、由紀の身体だけが目当てで近づいたってこと……!?」


――どうしよう。何を言っても事実が湾曲して伝わっている気がする。