「千夏子ちゃん、何か欲しい物とか気になるお店はないの? せっかくデパートまで来たんだし、今日は千夏子ちゃんの買い物に付き合うよ」
「あ、それじゃあいくつか買っておきたい物があるので、お付き合いいただいてもいいですか?」
「うん、もちろん」
快く了承してくれた一色さんを引き連れてやってきた場所は、特に用がなくてもふらっと立ち寄ってしまう場所。
それに、父親の借金で貧乏生活をしていた時、お世話になっていた場所でもある。
日用品から文房具、食品まで取り揃えていて、ほとんどの品を税抜き百円で買えてしまう、お財布にも優しいお店――百円ショップだ。
「とりあえず水切りネットと、食品の保存用にジップロックも買って、あ、ウェットティッシュも買っておかないと。修正テープもいるし、あとは赤ペンも買っておこうかな。あ、このメモ帳可愛い」
目についた必要なものをポイポイとカゴに入れていれば、黙って私の後を付いてきていた一色さんがポツリとつぶやく。



